2017年11月号
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MPDの本棚

『医療危機』著者が書く、医療制度のイノベーション

月刊事業構想 編集部

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−−本書執筆の動機は何ですか。

医療は本来、患者・医療者が主役であるはずが、財源論が中心を占めつつある現状に懸念を抱きました。そこで、あえてそれらの議論をへらし新たな視点を提供したいと考えたのです。社会保障論では、医療分野は年金・介護を含めた全体の中の一部として捉えられがちですが、医療の抱える問題は一部に留まらないのです。「新しい医療サービスの提供で、現場の行動様式がこう変わった」と示そうと試みました。

−−現代日本の医療課題とは何ですか。

医学ですべて解明できているわけではないので、出来高払いの診療報酬制度で、医師が患者のためにと思って余計な医療が提供される場合があります。他方、国民皆保険制度で自己負担が少ないために患者はコスト感覚が薄れがちです。医療の質こそ世界的に優れていますが、提供体制が制度に紐付けて確定するため、真に患者視点でのサービスが実現しにくい点が問題です。

患者の満足度を高めるには、その価値観を真に理解して提供する必要がありますが、現行の診療報酬体系は、必ずしも患者の価値を最大化するものになっていません。

−−採り上げる外国事例が独特ですね。

アメリカやインド、ドバイは皆保険制度がなく医療の提供体制に問題が多いです。しかし逆説的に、社会課題が顕在化するため、提供者で解決のための声と行動が高まります。また小国ほど価値観の均一性が高く、改革が速く進みます。他方、日本は国土に比して大国であり、1億人超の人口が抱く価値観を集約した制度化は困難です。

−−各ご指摘を通じ、「患者参加型の医療」という視点が新鮮です。

患者の視点を強く打ち出していますので、現在病気に悩む方々のみならず、今後病気を抱えるかもしれない若者にも手に取ってもらいたいと思います。またヘルスケアの新事業を構想する際、社会課題とその解決を考える萌芽として捉えてもらいたいと思います。

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