「花は、私になる。」伝統や格式にとらわれない流風を追求

創流90周年を迎えた草月流。一貫して追求してきた、伝統や格式にとらわれない自由な流風が、常に時代の先を行く創作につながっている。

勅使河原茜作品 花材:苔まき、ニューサイラン、ストレリチア 花器:陶器花器(勅使河原宏) Photo by Chukyo Ozawa

勅使河原 茜(草月流第四代家元)

花はいけたら人になる

草月流は、現家元の祖父である勅使河原蒼風(てしがはらそうふう)が1927年に創流した流派。蒼風は、形式主体の従来のいけばなに疑問をもち自由な表現に挑戦した。それは当時の常識からはかけ離れた斬新なものであった。

「今年草月流は90周年を迎えました。時代によっていけばなのあり方も変わってきています。かつては花嫁修業の一つとして捉えられていた時期もありましたが、教え方も表現方法も時代に柔軟に対応していくことが大事だと思っています。草月のいけばなは、いつでも、どこでも、だれにでもできるものです。今の時代を見つめながら、創流以来受継いできた創造の精神を、次の世代にきちんと伝えていきたいと思っています」と第四代家元の勅使河原茜(あかね)氏。

「蒼風の言葉に『花はいけたら人になる』というものがあります。いけばなは、いけるその人自身を映すということです。だから同じ花を使っても、いける人が違えば全く違う作品ができます。花と向きあっているうちに自分の性格も作品に反映されます。花をいけることは、自分を深く知り、磨くことだと言えるのです」

草月創流90周年記念 創流祭(千葉・舞浜アンフィシアター 2017年) Photo by Yoshiki Nakano

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