2017年6月号

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カーデザインコンテスト 将来の自動車産業を担う創造人を発掘

月刊事業構想 編集部

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表彰を終え、カーデザイナー・受賞作と共に笑顔を見せる受賞者。創意工夫を凝らし「クルマの未来」を表現

3月27日、東京・アルカディア市ヶ谷で行われた本コンテストでは、教育会議議長の須田義大・東京大学生産技術研究所教授の開会挨拶に続き、トヨタ自動車・東京デザイン研究所の菅原重昭氏による趣旨説明が行われた。産業界の大変革期にあって、「将来の自動車産業を担う若者の育成」とりわけ「新たな『動く』価値を創造」する人材の育成を目指し、感受性の高い中高生に照準を合わせ、創造の喜びが学べる場づくりを目指している。

(1)近未来への貢献度、イメージや機能が絵に反映されているか

(2)新規性・独創性があるか

(3)近未来への実現可能性

(4)デザインテーマ性

(5)技術テーマ性(魅力ある創意工夫があるか)

を基準に三段階で評価し、三次にわたる審査を経て受賞作5点と佳作18点を決定した。

歴代の受賞者はその後プロを目指した活動や研鑽に励む人材も多い。自動車技術会のウェブサイト内(http://www.jsae.net/car_design/result5/result.html)で紹介し、ゆくゆくはカーデザイン界の芥川賞とも呼ぶべき登竜門としての位置付けを目指している。

今回、居並ぶ高校生を退けて最優秀賞を獲得した青木智志氏は、小学校在学中に第1回コンテストへ応募したものの、年齢制限により選外となった。その後今回の受賞に至るまで、中学校進学後に二年連続でカーデザイン賞を受賞している。選考は完全無記名制ながら、本コンテストが確かな成長の場となったことを跡づけたエピソードだった。

表彰式の後は、応募作品を題材にした公開スケッチ講習会が行われた。初めにデジタル描画ソフトを用いた実演披露、その後マンツーマンに分かれて、線の効果的な使い方や筆致について、個別指導の時間が設けられた。

デジタル描画ソフト・WACOMを用いて実演する本田技術研究所・雨宮大祐氏

各社カーデザイナーによると、実務現場では、デジタルソフトでの描画経験のみを持つ職員も入社してくるが、研修では線の引き方の基礎を体得させるため、手描きの併用が多いという。逆に「デジタルはレイヤー(層)の重ね合わせや『やり直し』が可能なため、迷いのない思い切った線が引ける」との見方も出た。最先端技術と従来型の手法の組み合わせが新鮮な創造を促すことを実感させられた。

WACOM上の描画プロセス。レイヤーを重ねてディテールを構成し、立体感を出す

本コンテストは、受賞者への懇切な講評や実習に見られるように、応募や選考を通じて若者を育てる性格が強い。応募者もまた、狭い意味の産業デザインに捉われず、伸び伸びと自らの構想を披露する姿勢が好ましかった。

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