伝統工芸業界のイノベーターが結集 「日本工芸産地協会」設立

日本工芸産地協会の役員。左から立川裕大氏(t.c.k.w)、能作克治氏(能作)、中川政七氏(中川政七商店)、岡田贊三氏(飛騨産業)、山田遊氏(method)

3月1日、一般社団法人『日本工芸産地協会』が誕生、設立会見が開催された。伝統工芸品の産地出荷額がピーク時の5400億円(1983年)から1000億円(2014年)へと急速に落ち込むなかで、協会は、イノベーティブな経営で業績を伸ばしている「産地の一番星」たるメーカー11社会員で結成。伝統工芸に関するカンファレンスや経営勉強会など、地域創生・産業観光・産地存続のための活動を行う。

協会代表理事に就任した中川政七氏(中川政七商店代表取締役)は、「協会の目標は、日本全国に現存する約300の工芸産地が100年後も生き残ること」と表明。理事副会長の能作克治氏(能作代表取締役)は「産地や工芸ごとの組合は多いが、横の繋がりがなかった」と業種や地域を越えた組織である日本工芸産地協会に期待し、「海外展開のノウハウ共有や、連携して新製品開発に取り組みたい」と述べた。

会員は中川政七商店、能作のほかに木製家具の飛騨産業、南部鉄器の及源鋳造、鎚起銅器の玉川堂、ガラス製品の菅原工芸硝子など。クリエイティブディレクターの山田遊氏(method)、伝統技術ディレクターの立川裕大氏(t.c.k.w)も理事として関与する。「企業規模を問わず、産地を背負って立つ気概を持つ企業に会員として参加してもらいたい」(中川氏)という。