2017年5月号

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復興イチゴの摘み取り1141人参加でギネス世界記録®に認定

月刊事業構想 編集部

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ギネス世界記録に挑戦するイベントでは1141人が集結し、一斉にイチゴの摘み取りを行った

東日本大震災で9割以上のイチゴ生産者が被災し、復興への努力を続けてきた宮城県亘理町で3月5日、1141人が一斉にイチゴの摘み取りを行い、ギネス世界記録に挑戦するイベントが行われた。

宮城県亘理町は、東北一のイチゴ生産高を誇っていたが、2011年3月の東日本大震災による津波で壊滅的な被害を受けた。これによって、従来は約58.3haあったイチゴ栽培のハウスのうち、沿岸地域を中心に約94%が失われた。また、震災で生じた瓦礫の撤去後も、土壌の塩害と地下水の塩水化により、従来のようなイチゴの土耕栽培での復興が厳しい状況であった。

このような中で2012年3月には、国の復興交付金を活用して「いちご団地」(総栽培面積約23 ha)を建設することが決められた。新しいイチゴ栽培のハウスは内陸地域に集約され、将来像を見据え、「高設ベンチ」を用いた高設栽培が取り入れられた。「いちご団地」は翌年完成し、宮城県のオリジナル品種であるイチゴ「もういっこ」の栽培や本格的な出荷が再開された。

今回行われたギネス世界記録への挑戦は、震災後の全国からの支援に感謝し、特産品であるイチゴの復活や町の復興をアピールしようと、亘理町が企画した。

3月5日朝には町内3ヵ所の「いちご団地」のうち最大の「浜吉田いちご団地」に、イチゴ生産者や町内外から1000人以上が集結した。審査のために招聘されたギネス世界記録公式認定員によってルールの説明がなされた後、参加者らはスタートの合図と共に、赤く熟したイチゴの摘み取りを開始した。摘み取りは、終了の合図が出るまで5分間にわたって行われた。

終了後は審査の結果、1141人によるイチゴの摘み取りで、「同時にイチゴ摘み取りをした最多人数」というギネス世界記録が認められたと発表されると、一般参加者やイチゴ生産者らが喜び合う光景が広がった。続いて開かれたセレモニーでは、ギネス世界記録公式認定員から亘理町の齋藤貞町長に、公式認定証が授与された。

震災からの復興状況について亘理町企画財政課では、「町では建物の再建がかなり進み、今後の課題は避難道路や防災公園などの整備になっている。町の特産であるイチゴについては、2016年産で、震災前の約8割の販売量まで戻ってきている」と話している。

亘理町では5月下旬ごろまでイチゴ狩りのシーズンが続くことから、企画財政課では「イチゴ狩りを中心に、より多くの方々に町を訪れていただき、町のさまざまな魅力に触れてほしい」とギネス世界記録認定の効果にも期待している。

震災時の津波による塩害で従来の土耕栽培が困難になったことから、「いちご団地」では「高設ベンチ」での高設栽培が取り入れられた

摘み取り終了後に開かれたセレモニーでは、ギネス世界記録公式認定員から齋藤貞・亘理町長に認定証が授与された

 

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