東京発のビール、異例のヒット 成熟産業を変革するリーダーシップ

2015年に発売された、東京発のクラフトビール『TOKYO BLUES』。年間1億円を売り上げるヒット商品だ。仕掛けたのは、老舗の酒類卸・コンタツの津久浦慶明社長。独自の手法で、成熟産業に風穴を開ける。

東京で醸す、東京の名を冠したクラフトビール『TOKYO BLUES』。大手チェーンには卸さず、東京の酒販店、地場スーパーなどで販売。個性豊かな味わいで人気を集めている

2015年4月に発売し、年間で1億円を売り上げたクラフトビール『TOKYO BLUES(トウキョウブルース)』。日本の主なクラフトビールメーカー166社(帝国データバンク)の売上高を見ると、10億円以下の中小企業が9割を占めるなかで、1ブランドの売り上げとしては異例の大ヒットとなった。

仕掛け人は、創業1924年の酒類卸、コンタツの3代目社長、津久浦慶明氏。大学卒業後、味の素で商品開発やマーケティング、海外ビジネスなどを担当し、2005年にコンタツに入社。2011年に、2代目社長の父から経営を受け継いだ。

津久浦 慶明(つくうら よしあき)コンタツ 代表取締役社長

東京には東京のローカルがある

『TOKYO BLUES』開発のきっかけは、東京発の日本酒を世間にアピールしようと、津久浦社長が東京の蔵元を集めて「東京ローカル」という活動を始めた2009年にさかのぼる。

日本酒ブームの当時、地方の酒蔵に注目が集まる一方で、東京の蔵元の存在はほとんど知られていなかった。しかし、都内にも100年以上かそれに近い歴史を持つ蔵元がいくつかある。

大手総合卸がスーパー、コンビニ、ドラッグストアの流通を押さえ、「酒類卸業は絶滅危惧種」と会社の将来に危機感を抱いていた津久浦社長は、「長年、東京を拠点に商売を続けてきた東京ローカルのコンタツだからこそ、できることがある」と一念発起。東京の蔵元9社に「東京には東京のローカルがある。東京の酒を盛り上げよう」と声をかけた。

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