2016年12月号
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事業構想シンポジウム

ブレイクスルーは構想から始まる【ユーグレナ、Takram】

出雲 充(ユーグレナ 代表取締役社長)

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東京・南青山の事業構想大学院大学で10月15日、公開シンポジウムが開催された。魅力ある発想、着想で企画し、構想を進める事業構想家による基調講演、トークセッション、本学教授による分科会を通じ、事業構想をめぐる様々な議論が行われた。

微細藻類・ミドリムシ(学名:ユーグレナ)

基調講演

 

「僕はミドリムシで 世界を救うことに決めました。」

ユーグレナ代表取締役社長・出雲充氏

 

栄養価の高さが評価され、日本だけではなく、世界を舞台に展開するミドリムシの商品。そのミドリムシを世に広めたのが、ユーグレナ代表取締役社長の出雲充氏だ。

微細藻類・ミドリムシ(学名:ユーグレナ)はワカメや昆布のような藻の一種で、栄養価が高く、二酸化炭素を吸収することから、食料問題やエネルギー問題、地球温暖化の解決に向けて注目されている。ユーグレナ社は2005年、「絶対に不可能」といわれていたミドリムシの屋外大量培養に成功し、2014年12月には日本の大学発ベンチャーで初めて、東証一部に上場した。

出雲氏は大学1年の時に訪れたバングラデシュで、たくさんの栄養不足の子どもたちと出会ったことをきっかけに、栄養失調で健康な生活を送れない世界の人々を救いたいと考えるようになった。

「世界には、健康な生活に必要な食料にアクセスできない人々が約10億人います。炭水化物は山ほどありますが、果物や野菜、肉、卵などの食品は不足しています。また、貧しく電気もない地域では、冷蔵庫での生鮮食品保管はできません。このため、動物性タンパク質を摂取できず、栄養失調になるのです」

出雲氏はバングラデシュからの帰国後、栄養について学び、大学3年のときにミドリムシと出会った。緑色のミドリムシは藻の一種で、光合成する植物の側面を持つ一方、動物のように動き、動物性タンパクも作れる。そして、人間に必要な59種類の栄養素を含むため、栄養失調の人々がこれを食べれば健康になれると考えた。

他方で、栄養価が高いミドリムシは、雑菌、バクテリア、プランクトン、大型の昆虫やカビ、酵母など自然界のあらゆる生き物の餌となる。このため、天敵に食べられないようにミドリムシを育てることは、非常に困難だとわかった。あらゆる天敵が侵入しない設備を作って育てれば、大変な費用がかかる。世界中の栄養失調の人々に届けるには、あまり費用をかけずに大量培養することが必要だった。その後は、そのための研究に従事し、2005年12月に世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功した。

そして仲間2人とユーグレナ社を設立し、沖縄県の石垣島でミドリムシの屋外大量培養を開始した。大量培養の鍵は、培養液だった。バクテリアなどが侵入しても、その培養液ではミドリムシ以外はすべて生息できない環境を作った。

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