「兆し」は発想のジャンプ台 Howではなく、Whatの創出を

これまで、新規事業は既存の事業にプラスの価値をつけることで、製品やサービスを作り出してきた。しかし、現在の成熟市場では先行きが見えづらくなり、従来の延長線上の発想だけでは通用しなくなっている。

これまでの枠組みを超えた発想をするためには、どのような視点が必要になるか。博報堂イノベーションデザイン・ディレクターの岩嵜博論氏は、「これまで日本産業界が得意としてきた『How』ではなく、今の時代には『What』が求められている」と話す。Howとは、すでにある課題をどうやって解決するかという「問題解決力」。Whatとは、何をすべきか、何が必要とされているかという「機会発見力」である。

「Whatの創出は、どこにチャンスがあるのか、兆しや機会を発見することから始まります。つまり、兆しは、発想のジャンプ台です」

兆しから新規事業を創出するプロセスには、クリエイティブシンキングが不可欠だ。ロジカルシンキングの基本である「MECE」(もれなく・ダブリなく)や「定量情報」、「分析」ではどうしても既存事業の延長なってしまう。「定性情報」を収集し、兆しを見つけ、複数の兆しを「統合」していくと、ロジックでは考えつかない商品やサービスを生み出すことができる。

機会発見

--生活者起点で市場をつくる

  1. 岩嵜博論(著)
  2. 本体1,900円+税
  3. 英治出版

 

 

調査は「旅」である

著書『機会発見』では、兆しを見出す定性調査として、「日記調査」、「デプスインタビュー」、「エスノグラフィ調査」の3つを提案している。

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