2016年9月号
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2020年に向けた新ビジネス

空き家問題の解決を新ビジネスに 中古住宅マーケットの可能性

米山 秀隆(富士通総研 経済研究所 主席研究員)

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中古住宅の流通比率が低迷し、空き家が増加し続けている日本の住宅市場。根強い新築志向がある中で、住宅ストック市場を活性化するには、何が必要なのか。住宅市場に詳しい富士通総研主席研究員、米山秀隆氏に話を聞いた。

日本の中古住宅の流通比率は低く、14.7%(2013年、総務省調査)にすぎません。欧米の中古比率は8~9割なので、その低さが際立っています。

また、日本では空き家が増え続けており、2013年時点で820万戸、空き家率は13.5%にのぼります。

米山秀隆(富士通総研 経済研究所 主席研究員)

なぜ空き家が急増しているのか

空き家が増加している背景には、戦後から高度成長期にかけての住宅施策の影響があります。かつての人口増加時代には、住宅を大量供給する必要がありました。供給を急いだため、住宅の質が落ちたのです。また、立地上、条件が悪いエリアにまで住宅が建てられるようになりました。

それが一転して人口減少になり、通勤に時間がかかる場所に家があっても、子供は引き継ごうとせず、そもそも、将来的に売ることを見据えて手入れされていないので、状態の悪い家が増えていきます。今、条件の悪いエリアから空き家問題が深刻化しています。

空家対策特措法で一定の成果

空き家が放置される要因の一つに、税制の問題があります。住宅が建つ敷地は固定資産税が優遇されるため、更地にせずに、そのまま放置しておいたほうが有利という事情があります。

この問題を解決するため、2015年5月に「空家対策特措法」が施行されました。市町村が、倒壊の恐れなどがある危険な家屋を「特定空家」と認定し、所有者に指導・勧告・命令の措置をとり、命令に従わなければ、行政が強制的に取り壊すなどの代執行ができるようになりました。

先述した固定資産税の優遇措置は「勧告」の段階で解除され、税負担が引き上げられます。すでに代執行で処分された空き家もあり、空き家を売る人、貸す人が出てきているので、一定の成果をあげています。

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