Google、「AI」の先へ ピチャイCEO、変革を加速

Googleを「真のテクノロジーカンパニー」に生まれ変わらせる。就任以来、AI(人工知能)に力を注ぐピチャイCEOの改革は、先進的な技術で成長を遂げてきた同社の「原点回帰」を目指す試みでもある。

GoogleのCEO、サンダー・ピチャイ。1972年にインドで生まれ、スタンフォード大学に進学。Googleでは「Chrome」や「Android」の事業を統括した後、若くしてトップとなった

「我々が今やるべきこと、それはモバイルファーストからAI(人工知能)ファーストへのシフトだ」

2015年8月、新たにGoogleのCEOとなったサンダー・ピチャイは全従業員に宛てた就任メッセージにはっきりとこう書いている。創業からわずか18年しか経っていないにもかかわらず、インターネット界の巨人として君臨し続けるGoogleだが、その収益のほとんどは広告に依存してきた。そしてピチャイは今、Googleというテクノロジーカンパニーのビジネスの方向性を大きく変えようとしている。

技術とビジネスの両方に精通

Googleは2015年8月、大規模な組織再編を実行、持ち株会社であるAlphabetを設立し、Googleはその傘下の一企業となった。

ライフサイエンスや自動運転車、そして「moonshot」などの投機的事業とテクノロジーカンパニーとしてのGoogleが進める事業を切り分け、それぞれが各事業に力を注ぐための再編であり、テクノロジーカンパニーとして新たなスタートを切ることになったGoogleのCEOに選ばれたのがピチャイだった。

CEOに就任するまでのピチャイは、その名前がメディアなどに露出することは決して多くなかった。

だがシニアバイスプレジデントとして「Google Chrome」やモバイルOSの「Android」といったGoogleの主要な事業を統括してきた経歴にも表れている通り、技術とビジネスの両方に長けた人物として、その優秀さはIT業界内でも際立っていた。余談ではあるが2014年のMicrosoftにおけるCEO選考の際には、ピチャイの名前も候補として挙がっていたことがある。

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