史上初の「宝石」、世界でヒット 独創力で市場をつくる
「ジュエリーの本場」山梨で起業し、斬新な商品を次々に開発。2011年には、踊るように揺れ続ける宝石「ダンシングストーン」を発売。クロスフォーは、国内の宝飾品市場が伸び悩む中にあって、成長を遂げている。
取材協力:リンカーズ
山梨は水晶の産地であり、宝飾品出荷額は全国1位。県内には1000社を超えるジュエリー関連企業が存在し、互いの技術を競い合っている。しかし、国内の宝飾品市場は、近年は下げ止まっているものの、最盛期のバブル時代と比べると、大きく縮小している。そうした中で、今、成長を遂げている企業がある。甲府市に本社を置くクロスフォーだ。
クロスフォーは2011年、自然に揺れ続け、キラキラと輝き続ける宝石「Dancing Stone(ダンシングストーン)」を開発。世界的なヒットとなり、年間販売数は360万個にのぼる。
その独創性が評価され、2014年度の「やまなし産業大賞・ものづくり大賞部門」を受賞した。独自のひらめきで、従来にない新商品を生み出したのが社長の土橋秀位氏だ。
バブル崩壊の危機に業態転換
土橋社長は、アメリカで宝石学を学び、鑑定士のライセンスを取得。帰国後、1980年に宝石輸入業の会社を設立した。なぜ、宝石を手掛けるビジネスを選んだのだろうか。
「世界中を旅することが、好きなんです。好きなことを活かせるビジネスとして、宝石を選びました。貧しい国や赤道直下の暑い国など、多くの国を訪れて宝石を探しながら現地を歩く。そうすると『好きこそものの上手なれ』で、ビジネスは軌道に乗るようになりました。それに、いろいろな世界を見て、改めて山梨で産出される宝石の素晴らしさに気づいたんです」
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