女性活躍推進法が施行 企業に求められる対策とチャンス
2016年度から、大企業では女性活躍推進に向けた行動計画の策定が義務化され、公共調達における5兆円規模の優遇措置などもスタートする。国の取り組みは、企業経営にどのような影響を及ぼすのか。
女性活躍は日本経済最大のフロンティア
女性活躍推進は、第2次安倍内閣の成長戦略の柱のひとつとして位置づけられている。日本では子育てや介護などで仕事を辞める女性が多く、女性の就労希望者は約303万人存在する。とくに役員・管理職クラスの女性比率は先進国最低クラス、アラブ諸国と同水準だ。言い換えれば、これは日本経済の大きな成長余地でもある。
女性活躍はダイバーシティ経営の「最初の一歩」でもある。ダイバーシティ経営は、優れた人材の確保、多様な市場ニーズへの対応、ガバナンスの強化、資金調達の安定化など様々な面で経営にプラス効果をもたらす。日本企業の競争力を高めるためにも、女性活躍は欠かせない要素だ。
政府は「男女共同参画基本計画」において、2020 年までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも3割程度とすること、男性の育児休業取得率を13%にすることなどの目標を打ち出している。成長戦略には「子育てと仕事の両立支援」、「女性のキャリアアップ促進」を盛り込まれた。2017年度末までの約40万人分の保育拡大、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業の認定などに加えて、キャリアアップ促進のための新法として女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が2015年8月に成立、今年4月1日に施行される。
図1 企業経営におけるダイバーシティのメリット
大企業の行動計画策定を義務化
女性活躍推進法の施行によって、自社の女性活躍に関する状況把握と行動計画の策定、そして情報公開が、従業員301人以上の企業では義務化、それ以下の企業では努力義務化される。行動計画では、現状の女性活躍の課題、目標(定量的目標)の設定とそれに向けた取り組み内容、実施期間等をまとめる。
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