高速バスの「新市場」 「大都市・海外→地方」の移動にチャンス

かつて楽天グループに所属し、高速バスのウェブ予約を確立するなど、市場拡大を支えてきた成定竜一氏。業界の改革を牽引してきた第一人者が、高速バス業界に成長をもたらした施策、残された新市場の可能性を語る。

現在、高速バスの年間輸送人員は約1億1500万人と、航空の9000万人を超えています。近年の成長は、都市在住者の需要を掘り起こすことで実現しました。かつての高速バス利用は、地方在住者による大都市への移動に偏っていたのです。

成定竜一(なりさだ・りゅういち)
高速バスマーケティング研究所 代表

朝と夜で人の賑わいに差

私は今、バス事業者向けのコンサルティングを手掛けていますが、もともとバスが好きで、学生時代の1992年、新宿の高速バスターミナルでアルバイトをしていました。そのとき、気づいたことがあります。

東京発の午前の便は乗客が少なく、夕方~夜の東京発の便になると人が増えてくる。これは、地方から東京への出張や買い物、ディズニーランドに行くために、午前中の到着便が人気で、夕方~夜になると、そうした人たちが帰途につくからです。逆に言うと、東京に住む人は、高速バスを使っていませんでした。都市在住者の利用は、増やせる余地があったのです。

大学を卒業後、ホテルに就職しましたが、2006年、楽天トラベルが高速バス予約サービスに参入すると聞き、楽天バスサービスに転職しました。楽天の強みであるウェブマーケティングによって、都市での需要を掘り起こせると考えたのです。

当時、高速バス事業者は、大別すると2つありました。地域の路線バス事業者が手掛ける「高速乗合バス」と、2002年の規制緩和によって誕生した「高速ツアーバス」です(図1参照)。

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