独創のブックデザイン 「日常を楽しむ」が発想の原点

さまざまなメディアがデジタル化していく流れの中で、手触りの良さや質感を重視した本をデザイン。デザイナー・松田行正氏がつくり出す本は、多くのファンに愛される。

本のカタチが「B」になっている書籍『B ~ビートルズの遊び方~』(著者は、工作舎編集長・米澤敬氏)

ビートルズに関するエッセイ集『B』は、本のカタチも「B」。『1600億分の1の太陽系』という本は、ページがじゃばら仕様になっており、伸ばすと全長は47m。それは、太陽からの広大な旅がその本には記されていることを表し、いわばその本のカタチ自体が太陽系のミニチュアとなっている。

また、たくさんの知識が詰め込まれた書籍『PEEK-A-BOOK』は、映画『2001年宇宙の旅』に登場した黒色板モノリスが、映画の中で「知の象徴」とも解釈できる物体だったことを意識して、判型がモノリスと同じ比率(背幅1:横幅4:縦9)となった。

そうした「オブジェとしての本」をデザインしているのが、松田行正氏である。

松田行正(まつだ・ゆきまさ)ブックデザイナー

一点豪華主義のデザイン

松田氏は、80年代半ばに自らの出版レーベル「牛若丸出版」を設立。前述の3冊も、牛若丸から発行されている。並行して他の出版社の書籍もデザインしており、2010年にCCCメディアハウスから発行された、ウンベルト・エーコらの著書『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』は、造本装幀コンクール文部科学大臣賞を受賞した。

自身の中で、依頼された仕事と牛若丸の仕事で、違いはあるのだろうか。

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