印刷会社は斜陽産業にあらず 「地方創生」ビジネスの主役に

先進国では成熟産業の一つに位置づけられることの多い印刷産業で、蓄積した経営資源を地域活性化ビジネスに投入する印刷会社が増えている。地域とともに成長を目指す印刷会社は、地方創生の最有力プレイヤーになりえる。

フリーペーパーの発行は印刷会社の地域活性化ビジネスの代表例。多くの企業はソーシャルビジネスとして取り組んでいる(愛媛県内のフリーペーパー・cocoroe)

印刷会社の約65%が地域活性化ビジネスに関与

工業統計によると、印刷産業は1991年の市場規模8.9兆円をピークに徐々に減速、2013年には5.5兆円と、市場規模で40%の縮小となっている。

市場規模は縮小したとはいえ、いまなお全国に27,000もの事業所を展開する印刷産業は、典型的な地域密着型産業と言うことができる。従来型の印刷市場が縮小する過程で、多くの印刷会社は地域の情報を加工して印刷物を生産するだけでなく、デジタルメディア対応や企画デザインなどクリエイティブにも対応できる存在に経営革新することで生き残ってきた。印刷会社が自社の強みを生かして取り組んできた数々の事業のうち、これまでスポットライトを浴びてこなかったが、近年特に注目されているのが地域活性化ビジネスである。

日本印刷技術協会(JAGAT)では、この実態を探ろうと、2011年から研究調査を開始した。「印刷会社の地域活性化」に関するアンケート調査を実施したところ、実に64%もの印刷会社が何らかの地域活性化ビジネスに取り組んでいることが明らかになった。

調査を担当した同協会研究調査部の藤井建人部長と小林織恵チーフリサーチャーは、「地域活性化ビジネスと印刷会社の相性は、非常に良いと言えます」と口を揃える。

日本印刷技術協会 研究調査部 藤井建人部長(右)と小林織恵チーフリサーチャー

地域に根ざした印刷会社ならではの経営資源

印刷業は情報加工業である。地域のあらゆる業種と付き合いがあり、地域情報の集積地であり発信地になっているというのが、印刷会社の大きな特長だ。また、その土地で長く事業を続けている会社が多く、工場などの資本、デジタルも含めた情報加工技術はもちろん、地域における信用と幅広いネットワークをも兼ね備えている。

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