2015年7月号
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IoT 先駆者の構想

GEの航空機エンジンサービスに学ぶ IoTの本質的価値

前川純一(情報通信総合研究所 グローバル研究グループ主任研究員)

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あらゆる事象がネットワークにつながり、データ解析で付加価値を創出するIoT社会。多くの企業にチャンスが生まれ、目に見えないイノベーションはさまざまな分野で始まっている。米GEの戦略を紐解きながら、IoTの本質的価値を考察する。
文・前川純一 情報通信総合研究所 グローバル研究グループ主任研究員

 

Industrial Internet を提唱するGEは、既にデータ分析サービスで2014年度は10億ドルを売り上げ、製造業として定義されてきた自社のビジネスモデルそのものを変遷させようとしている。写真はジェフリー・イメルト会長兼CEO Photo by Bloomberg/gettyimages

スマートフォンの登場で音声、テキスト、画像、映像など、人間がコミュニケーションに用いるほぼ全ての情報が手のひらでやりとりできるようになった。さらに、広く普及したスマホが末端側のインフラ機能を果たすようになり、Bluetooth等によって接続可能な数々の周辺機器が登場、ウェアラブル機器も続々と発売された。これらの機器が身近になることによって、モノが作り出す情報がInternetに流れ込んで行くことが、誰にも容易に理解されるようになり、モノのインターネットであるInternet of Things(IoT)がにわかに注目されるようになった。

当然、これらウェアラブル機器は全て「個人」がどう便利に快適に暮らせるかが競われている。しかしながらその反面、現時点ではライフタイルを一変するようなプロダクトが登場していないのも事実だ。

実際のところは、我々の身の回りは刺激的な情報で溢れている。読み切れない数々のEmail、断続的に来る友人知人からのLine通知、止まる事の無いTwitterのフィード。「友達」であるはずのFacebook上の投稿でさえ、全てに目を通して、共感することは難しい。人間が処理できる情報の量とそれに費やす時間には限界がある。各種センサーが作り出すモノの情報はむしろ「地味」であり、情報に溢れる個人の時間の取合いという競争市場への参入にとっては非常にハードルが高い。

思考の枠に縛られない構想を

そんな中で、どこにIoTの市場をとらえるかが重要なポイントとなる。私たちが新たなビジネスを考える時、先ず発想するのが「自分だったら、これがあったら便利だよな」ということ。それは、新たな商品、サービスを生み出すきっかけになる健全な発想に違いない。

しかし、その発想の中に、実は気づかないうちに作り出している思考の枠が存在する。それは「自分にとって」ということ。私たちはIoT(モノのインターネット)というと、腕時計、車、家といった自分達の身の回りにあるモノに視点が集中してしまうが、我々の生活を構成しているモノは目の前にあるモノだけでは決してない。IoTの対象となるモノは、我々を取り巻く森羅万象を構成するモノがその対象となりうることを忘れてはならない。むしろ、自分達の日常生活を構成する背景に存在するモノや、様々な産業を下支えしているスケールの大きいモノの存在を忘れてはならない。

GEの戦略とは

General Electric (GE)は、創業100年を超えるアメリカ企業で、航空機のエンジン、発電所、医療機器といった産業機器の世界トップメーカー。スピードが何より重視されるシリコンバレー型の企業とは対極に位置するような企業だ。

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