ドッジボール症候群の解決策


文・松田智生 三菱総合研究所・主席研究員

 

第9回 【ドッジボール症候群】

言葉のキャッチボールが大切と言いながら、実際は自分が言いたいことだけを一方的にドッジボールのように相手に思いっきりにぶつけてくる殺伐とした職場で疲弊する現象がドッジボール職場症候群である。具体的問いかけと、よけるべき・取るべきボールの見極めが解決のポイントである。

ドッジボール症候群とは何か?

言葉のキャッチボールが大切だと力説するリーダーは多い。しかし実際は自分が言いたいことだけをドッジボールのように一方的に思いっきりに相手にぶつけるだけで、相手のことはお構いなしのリーダーにより殺伐とした雰囲気で職場が疲弊する現象がドッジボール症候群である。

筆者は多くの職場を訪れるが、職場の雰囲気は、会社というよりも部署によって大きく異なっており、雰囲気の良い部署は、上下分け隔てなく談論風発、自由闊達、双方向のコミュニケーションがなされている。しかし、最近は、そうした良い職場が減る一方で、言葉のドッジボールが繰り返される職場が増えているようだ。例えば、ドッジボール症候群の職場はこんな具合だ。

  1. 部長:本年度はこれが必達のノルマだ。以上!
  2. 部下:それができれば誰も苦労しないよ...
  3. 部長:来週までにプロジェクトの改善策を出すこと!
    改善策の出せない部員はわが部には不要だ。以上!
  4. 部下:改善策が簡単に出せたらとっくにやっているよ...

 

昔、「指示待ち族」という主体性のない困った部下を評した言葉があったが、上記の部長は指示待ち族ならぬ、一方的に命令するだけの「指示だけ族」と言えよう。

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