迅速な情報集約と多様なメディア発信 ~東京都豊島区~

災害発生時、住民が適切な行動をとるためには、行政が地域の現状を的確にとらえ、その情報を正確かつ迅速に住民に伝えることが肝心だが、その際、把握が必要な情報は、災害の種類や地域の特性によって異なってくる。

「群衆行動解析技術」を搭載したカメラでは、日常の人の動きと異なるところを発見・通報するため、ずっとモニターを見ている必要がない

東京都豊島区は、池袋のようなターミナル駅がある一方、区内の面積の40%を、いわゆる木密地域が占めるなど、住宅も多い。そのため、大規模な地震が発生した場合、ターミナル周辺では、帰宅困難者の大量発生が見込まれ、木密地域では、家屋倒壊や火災の発生が危惧されている。実際、東日本大震災では、池袋駅周辺に帰宅困難者があふれるという事態が発生した。そこで、豊島区では、災害対策においては、帰宅困難者対策と木密地域対策に重点を置き、防災カメラを活用した情報収集に力を入れている。

群衆の異常な動きを察知して通報するシステムを導入

防災カメラというと、ビルなどの高い場所に設置し、1台で広範囲を撮影するのが一般的だが、池袋周辺は高いビルが多いため、高所にカメラを設置すると死角ができてしまい、地域全体が見えない。そこで、豊島区では、2015年5月、新庁舎への移転を機に総合防災システムを刷新。低い位置に多数の防災カメラを設置して、区内全域を細かく分けて監視できるようにした。

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