「鉄腕アトム」で商店街を活性化 成功する地域通貨のつくり方
2000年代前半にブームとなっていた地域通貨だが、その後、消滅したものも少なくない。そうした中で、着実に流通量を増やし、全国に広がっている地域通貨がある。東京・高田馬場商店街で始まった「アトム通貨」は、なぜ成功することができたのか。
地域コミュニティ活性化の手法の一つとして、2000年代前半に話題となった「地域通貨」。しかし、実際に機能を果たし、持続できているものは少ない。その中で、故・手塚治虫氏のマンガ「鉄腕アトム」をキャラクターとした「アトム通貨」は、もっとも成功した地域通貨と言っていいのではないだろうか。
アトム通貨は、東京都の早稲田・高田馬場エリアの地域通貨として、2004年に発行を開始した。「最初の年は200万円の予算で始まりました。そこからこれまで追加予算なしでやってきています。年間の発行額は現在のところ2000万円(2000万馬力)。規模としては非買型では世界一のはずです」と実行委員会副会長である石渡正人氏(手塚プロダクション所属)は説明する。
そんなアトム通貨の成功を見た他の地域から、「ぜひ参加させてほしい」という打診も増え、2009年から支部も設置。埼玉・川口支部をはじめ、札幌支部や宮城県・女川支部、愛知県・春日井支部、沖縄・八重山支部など全国9地区で利用されるほどの広がりを見せている。
「ありがとう」のカタチが通貨
アトム通貨とは、どのようなものなのか。まず、なぜ故・手塚治虫氏の「鉄腕アトム」がキャラクターなのか。話は手塚氏の生前までさかのぼる。手塚氏が仕事場を構えたのは、早稲田通りに面した高田馬場の商店街の一画。手塚氏は、高田馬場や早稲田の商店街の支援を積極的に行った。
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