進化する「自販機」で市場開拓 ロシアで1万台が目標

日本では当たり前となっている、温かい飲料と冷たい飲料とを併売できる自販機は、海外に行くと貴重な存在。ダイドードリンコは、高性能の自販機で海外に進出するとともに、国内では新たなサービスを続々と展開。自販機ビジネスで、独自の展開を見せている。

ダイドードリンコは、自販機を一つの「お店」と捉え、コミュニケーションの拠点として活用する。自販機には、ゲームからメディア、O2O(Online to Offline)のサービスなど、さまざまな可能性が広がる
Photo by i_yudai

全国津々浦々に設置され、離島や山奥であっても見掛けることができる自動販売機。いつでも商品を買える手軽さと日本の治安の良さから設置台数を急増させていった自販機は、もはや風景の一部と言っていいほど、日本人にとってなじみのある存在だ。

その自販機を日本独特の武器として携え、海外に打って出ている企業がある。国内の設置台数約28万台、飲料販売部門の売上高の約85%を自販機から上げているダイドードリンコだ。5年ほど前からロシアのウラジオストクにおいて、屋内外での試験的な設置を開始した。

モスクワで1万台が目標

「治安の面を心配していましたが、壊されたり盗られたりといったことはほとんどありませんでした」(ダイドードリンコ広報・IR部、以下同)

それが一つの判断となり、首都であるモスクワへの進出を決めた。

現地で何台かの自販機を置いてテストマーケティングを実施した後、2013年12月に自販機の管理・保守を行う現地法人「ダイドードリンコ ロシア」を設立。2014年12月現在で、鉄道の駅構内など100台強の設置が完了した。スタッフは現在10名弱おり、そのうち約半分は現地採用を実施。日本人社員の手により自販機運営についての指導を行っている。

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