年間400万人が来場 6次産業化を実現した「世界最高の味」

今や、日本全国において、1次産業の「6次産業化」が喫緊の課題になっている。ところが、今から40年近く前に、6次産業化を実現した養豚事業者がいた。しかも、その食肉加工品は、今や、本場ドイツで“世界最高クラスの味”と認められているという。

自社ブランド豚からつくったハム・ソーセージは、本場ドイツでも認められる世界最高クラスの味

「恋と味は盲目」交通不便でもお客が殺到

埼玉県の西部、幹線道路からも遠く、筆者は、一番近い私鉄駅から1時間に1本未満しか運行しないバスに乗り、約20分かけて到着して驚いた。

人、人、人、人...一体どこから、こんなに多くのお客さんが来たのだろうとあ然とする賑わいだ。

ここは、埼玉種畜牧場・サイボクハムの本店エリア。

広大な敷地に、自社の肉・ハム・ソーセージ・デリカテッセン・パンなどを直売する「ミートショップ」、自社の堆肥を用いて地元農家が栽培した農産物を直売する「楽農広場」、そうした食材を使用し、ほぼいつも満席の「レストランサイボク」、さらにはお米屋さん、フルーツ店、狭山茶の売店、カフェテリアなどが立ち並び、天然温泉、陶芸教室、パークゴルフ場まである。そして、どこに行っても人々の笑顔が溢れている。

のどかな田園地帯にある“別世界”。ここは、夢や感動を提供する“食のテーマパーク”なのだろう。

養豚の6次産業化の礎を築いた、埼玉種畜牧場・サイボクハム 笹崎 静雄 代表取締役

「創業者である先代が、“恋と味は盲目”と言いましたが、本当に良質で美味しいものをご提供すれば、たとえ千里の道でもお客さまは来てくださるのです」

そう語るのは、埼玉種畜牧場・サイボクハム代表取締役の笹崎静雄さん(66)だ。

同社は創業が1946年で、資本金は9200万円。従業員は現在580人、年商60億円である。

「売上の製品別構成比で言うと、精肉50%、加工品50%。本店エリアでの売上が約75%、卸が約5%、伊勢丹・東武・西武など大手百貨店の一部店舗に展開する直営店が約20%ほどです。事業所としては、ここ日高市の本店エリアのほか、鳩山牧場(埼玉県)、南アルプス牧場(山梨県)、東北牧場(宮城県)があります」

同社は、「ゴールデンポーク」「スーパーゴールデンポーク」というブランド豚で知られるが、同時に、これを使ったハム・ソーセージは、本場ドイツで“世界最高クラス”という評価を確立している。

都心から離れた田園地帯に突如出現する日高本店エリア。年間400万人が来場する

「ドイツ農業協会(DLG)という組織がありまして、世界最大かつ最高の権威を有する食品品質競技会を1887年から毎年開催していますが、この競技会で16年連続して高いご評価を頂いています」

1999年に初参加して17品目で金メダルを受賞したのを皮切りに、毎年参加し、2014年までに獲得した金メダル総数は、実に825個に及ぶ。その功績により、15年連続して多数の金メダルを獲得した会社にだけ与えられる「優秀ゴールド賞」を、13年目に“飛び級”で受賞。同賞の受賞は、日本はもとよりアジアとして初の快挙であった。

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