「教育×ゲーム」で問われる真価 低学力生徒の市場にチャンス

ゲーム的な要素を組み合わせ、勉強を楽しめるように工夫したサービスは数多い。「ゲーミフィケーション学習教材」を掲げる「すらら」も、その一つだ。近年、トレンドとなっている「教育×ゲーム」で勝ち残るためのポイントとは何か。

湯野川 孝彦(ゆのかわ たかひこ)すららネット 代表取締役社長

苦痛で退屈になりがちな勉強を、いかに楽しくするか。その工夫の一つが、ゲーム的な仕掛けだ。今年、DeNAが教育市場への参入を果たしたが、それもソーシャルゲームで培ったノウハウを教育で活かすことを狙ったものだ。古くは任天堂も教育系ソフトで数々のヒットを飛ばした。

また、勉強を持続させる仕掛けとして、「仲間づくり」も重要になる。SNSなどソーシャルな要素を組み合わせることも、EdTechのサービスでは一つの潮流になっている。

すららネットは、ゲームやソーシャル的な機能を備えた教育サービスを手掛ける企業の一つだ。同社は、小学生から高校生までを対象にしたeラーニングの学習教材「すらら」を開発・提供している。すでに600以上の学習塾で活用され、計2万9000人以上の生徒が「すらら」で学ぶ。2010年にMBO(経営陣による買収)で独立した後、昨年には黒字化を果たすなど、順調に拡大を続けている。

現在、多くのベンチャーが教育分野に参入しており、収益化に向けて真価が問われている。競争が激化する中で、すららネットが成長を遂げたきっかけは、「未開拓市場」の発見にあった。

低学力生徒の市場にチャンス

すららネットの湯野川孝彦社長は、FC(フランチャイズ)などの中小企業支援を行うベンチャー・リンクの出身。2004年、ベンチャー・リンクでは個別指導塾のFCチェーンの支援を手掛けることになり、その際、自分たちで塾を経営してノウハウを開発することになった。

「有名塾が学力の高い生徒を囲い込む中で、実績もブランドもない塾を新たに開校したわけですから、最初に来るのは学力の低い生徒さんばかりでした」

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