ピアスの常識を覆す商品開発
大切なピアスのキャッチをなくし、使えなくなってしまった経験、女性なら思い当たる人も多いだろう。徹底したユーザー目線で、ゼロから商品を開発。確かな計画性と行動力で新たな市場を見出した、開拓者の志に迫る。

菊永 英里 クリスメラ 代表取締役 社長
「私だけにできること」を探して
ピアスを耳の裏で支えるピアスキャッチ。華やかなアクセサリーを陰で支える大事な存在だが、外れやすく落としやすい、というのが、ユーザーの間では、マイナスの意味での常識となっていた。
これまで誰も解決しようとしなかったこの問題に真摯に向き合い、解決策を見つけ、商品化に成功したのが、クリスメラ社長の菊永英里氏だ。
起業を志したのは16歳の時。銀行員の父親に事業計画書を書いては見せていたが、父の反応は冷静だった。
「『これ君がやる必要あるの?大手が同じことをやったら勝てないでしょ』と。じゃあ私にしかできないことは何だろうと考え、たくさんアイデアを出しました。ニッチで他の人が気付かないようなジャンルを探さないと勝ち目はない、と気付きました」
父との事業計画書を挟んだ本気のやりとりは9年間続いた。そして、その答えにようやくたどり着いたのは、24歳の時だった。
「最初は単純なきっかけでした。当時お付き合いしていた彼にもらったピアスをなくしてしまい、『お前はがさつだから』と怒られたのが悔しくて。私が悪いのではなく、外れやすいピアスの方が悪い、ということを証明しようと思いました」
それが、“外れないピアスキャッチ”誕生の第一歩となった。
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