2014年6月号
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現代日本のイノベーター

在宅療養500万人の「食支援」

三幣利克(医療法人コンパス理事長)

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超高齢社会の現代日本。病気や加齢による身体機能低下で「要介護」認定の高齢者は500万人に達する。「彼らが“最期を迎えるその瞬間”まで、人間らしく“生き切る”ために、自分たちに何ができるか?」そうした問題意識から一人の歯科医師が立ちあがった。

介護施設の一角を借りて、高齢者の患者さんに負担がかからないように、状況に合わせた診療を行う

顧客ターゲットは要介護高齢者500万人

その歯科医師は三幣利克さん(39)。在宅療養高齢者に対する“食支援”を掲げる医療法人「コンパス」の理事長である。

現在、スタッフ数140人、年間売上10億円。

日本には、外来歯科医院を経営しつつ、同時に、在宅歯科医療も行うという“兼業”のクリニックは増えてきているが、三幣さんのように在宅歯科医療に特化して全国展開を図っているところは非常に少ないのが現状である。

コンパスデンタルクリニックは、赤羽、立川、三鷹、横浜、湘南台、大宮、名古屋、吹田の8つに拠点を置く。
それぞれの拠点から半径16キロメートル圏内のエリアで歯科訪問診療を行う

現在、首都圏(大宮・赤羽・三鷹・立川・横浜・湘南台)、東海圏(名古屋)、関西圏(吹田)で直営クリニックを経営しており、今後は、福岡・仙台・札幌など地方の大都市圏を中心とした全国展開も視野に入れている。

歯科と医科を統合したクリニックで"メガ・メディカル"を目指すコンパスの三幣利克理事長

「患者さんは、疾患や加齢による身体機能低下のために、外来診療を受けるのが難しい在宅療養中の方々です。内訳は、老人ホームや老人保健施設などの施設入所者が約3000人、ご自宅にお住まいの方が115人、それに加えて、歯科を置いていない病院に入院中の方が約200人です」と三幣さんは言う。

コンパスの立地戦略の基本は、第1に、歯科医師・歯科衛生士などの専門職を必要数確保しやすいエリアで、なおかつ、高齢者を収容する施設が多い、すなわち、潜在顧客層の多いエリアに拠点を置くことにある。

第2には、各拠点から半径16km圏内を商圏とし、特に、首都圏の5つの商圏は、それぞれが少しずつ重なりあい、エリアのモレが生じないようにしつつ、お互いの機能をカバーし合っていることだ(図表参照)。

各拠点からは、歯科医師、歯科衛生士、そしてコーディネーターや事務スタッフ各1人で1チームを編成し、ポータブルの診療機材を携えて、車1台で客先(施設など)に向かう。

残り77%

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