ミシュラン・シェフ絶賛「世界一の醤油」

今、欧州のミシュラン星付きレストランのシェフたちの間で、日本のある醤油職人が熱い注目を集めている。料理に彼の醤油を加えることで、美食家たちの想像を超えた味の世界が現出するという。伝統に立脚しつつも世界を驚嘆させる革命的醤油の作り手とは?

モンドセレクションにて2006年より8年連続「最高金賞」を受賞。

欧州シェフが買い付けにくる
紀伊半島の「醤油」

その醤油職人とは、日本における醤油発祥の地、和歌山県有田郡湯浅町で1881年に創業した調味料製造会社「丸新本家」5代目当主・新古敏朗(しんことしお)さん(44)だ。

丸新本家・5代目当主で湯浅醤油創業者の新古敏朗氏

彼が代表取締役を務める湯浅醤油有限会社は、醤油の新たな可能性を追求するために、2002年に丸新本家から醤油部門を分離独立させた戦略子会社である。資本金300万円、従業員9名の小世帯ながら、年商は対前年度比200%の右肩上がりを続け、今や1億7000万円。主要取引先にもリーガロイヤルホテル、阪急ホテルズを初めとする一流どころが並ぶ。

「本当に美味しい醤油を1人でも多くの人に味わってほしい。日本一、世界一の醤油を作りたい。醤油で人を幸せにしたい、そしてそれは可能だと本気で思っているのです」

その言葉通り、彼の作った「生一本黒豆」と「九曜むらさき」は、世界食品オリンピック「モンドセレクション」において、2006年から2013年まで8年連続で、共に「最高金賞」を受賞し続けている。

紀伊半島の南端にも近く、アクセスが悪いにも拘わらず、欧州からミシュラン・シェフたちが醤油の買い付けにやってくる。

「最初に注目してくれたのは、ベルギーのミシュラン星付きレストラン“アーレンベルク”のシェフ、ドメストリーさんでした。

彼を含め欧州のシェフたちは、醤油を使っているとわからないような使い方をするのが基本です。たとえば、マカロンの外側の部分に使ったりします。それを食べた人は、今までになかった美味しさに感動するのですが、その味の決め手が醤油であることを知って驚く。

ミシュラン星付きのシェフが愛用する

彼らシェフたちの作る料理には、常にそうした“サプライズ”があり、今、醤油が様々な料理に活用されて新しい味の世界を創出しています」

シェフたちは、それまでも醤油の存在は当然知っていたものの、新古さんの醤油に出会うことで、初めて、それを自分たちの料理に取り入れるようになった。

「醤油って、こんなにも美味しかったのか!?今まで味わった他の醤油は醤油ではない。こんなに美味しいのなら是非使ってみたい」というのがシェフたちの共通の思いだ。

そのせいであろう、湯浅醤油は、他社製品と比較すると高価だが、彼らは意に介さない。

「彼らには“良い物は高くて当然”という意識があるようです。私が値段を心配しても“大丈夫!お客さまは食べて満足するために来店する。他の醤油では満足できないのだから、高くても良いのだ”と言い切ります」

欧州のミシュラン・シェフたちにここまで言わせる新古さんの醤油とは果たしてどのようなものなのだろうか?

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