官民でつくる「アートの街」

千代田区が2010年に開所した文化芸術活動拠点「アーツ千代田3331」。廃校をアートの発信拠点に改修し、地域に新しいにぎわいを創出した。民間の知恵を活かした公共施設の再構築や、街づくりの好例として注目されている。

 

アーツ千代田3331のメインギャラリー。様々な企画展が日々開催されている

電気街に新風
海外から注目集まる

千代田区の文化芸術拠点「アーツ千代田3331」は、日本一の電気街・秋葉原に隣接した、マンションの立ち並ぶ住宅街の中にある。統合によって廃校になった区立中学校を改修し、大・小のアートギャラリー、クリエーターやNPO向けの貸しオフィス、カフェなどを整備。誰でも無料で利用できるフリースペースや屋上菜園、会議室、体育館なども用意され、芸術愛好家だけでなく、近隣住民や通勤者の憩いの場としても広く利用されている。

建物外観。屋上には貸し農園を整備

「開所から3年が経ち、周辺の人の流れが大きく変わってきている実感があります。秋葉原=電気街、オタクというイメージがありますが、施設の効果で芸術愛好家の来訪が増えました。施設周辺にアート系のショップがオープンしたりと、地域住民からも『活気が出てきた』という声が聞かれます」。千代田区区民生活部・文化スポーツ課長の恩田浩行氏は手応えを話す。

芸術を通した街づくりの事例として海外からの視察も多い。横浜市のBankARTなどと並び、日本の現代アート発信拠点の一つに数えられているという。

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