官民が一緒につくる融資制度
大阪府が2011年に開始した「金融機関提案型融資」は、金融機関が制度融資のメニューを設計するという新しいアイデア。多様な資金需要に応えられる枠組みとして注目され、他の都県にも広がりを見せている。
横ならび型の融資から脱却
大阪府が新しい融資制度を検討し始めたのは2010年のこと。リーマン・ショック後の不況が続いていた当時、中小企業の信用リスクを100%保証して金融機関の融資を促す緊急保証制度が全国的に実施されていた。ただし、これは10年度末までの時限措置だった。
「制度が終わり金融機関のリスク負担が高まると、中小企業に十分な資金供給が行われるかという不安がありました。そこで大阪府では、金融機関が一定のリスクを負担すること(責任共有制度)を前提に、頑張る中小企業に必要な資金の供給が可能となるような、新しい制度融資のあり方を検討し始めました」と、大阪府商工労働部金融課の安井潤氏は説明する。
一般的な制度融資は、自治体が預託金を金融機関に預けることで中小企業に低金利で事業資金を提供する仕組みをとっている。中小企業の新ビジネス参入や事業拡大に必要不可欠な制度だが、「自治体が融資条件(対象者・金利・融資期間など)を設計するため、どうしても最大公約数的な内容になってしまいがちです」(安井氏)。
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