新たな社会・経済構造への転換

今年3月に立ち上げられた「ICTコトづくり検討会議」。ビッグデータをはじめとしたデータの戦略的な利活用により、イノベーションが創出される社会を目指すことを提言している。

ICTでマーケットインの発想を

我が国は「失われた20年」とも呼ばれる長期に渡る景気低迷を続けています。我が国の企業は、中国・韓国・ASEAN諸国をはじめとした新興国の経済成長に伴う相対的な国際競争力の低下、製品のデジタル化・モジュール化の進展に伴い技術力による比較優位の長期的な維持が困難、また超高齢化社会の到来やエネルギー需給の逼迫といった社会課題の顕在化など、極めて厳しい状況に直面しています。

こうした状況から脱却し、再び我が国の経済を成長軌道に乗せるため、総務省では今年3月に「ICT成長戦略会議」の下に「ICTコトづくり検討会議」を立ち上げ、6月に報告書をまとめました。

「ICTコトづくり」とは「ICT」と「コトづくり」の2つの単語から成立する造語です。「コトづくり」とは、2000年以降にビジネス分野にて用いられるようになったキーワードです。

技術を起点として製品を開発するプロダクトアウトの考え方ではなく、顧客が本当に求めている価値を見つけ出し提供するマーケットインの考え方に基づき、利用者視点に立った高い付加価値を有する製品を創出する新たなビジネスモデルと言えます。こうした「コトづくり」に、インターネット、クラウド、ビッグデータをはじめとした高度なICTが結びつくことによって、幅広い分野において、新しいビジネス・サービスの創出が期待できます。

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