情熱と狂気で時代を動かす
電動バイクで国内トップに位置するテラモーターズ。「日本発のメガベンチャー」を目指す徳重代表は、自らのことを「クレイジー」と称し、本気の想いで変革を目指す。
テラモーターズ代表取締役の徳重徹氏は、電動バイク事業で起業して以来、100回以上聞かれたことがある。「大手が参入してきたら、どうするんですか」
徳重代表は、反対意見にも動じず、自身が起業できた理由を「使命感」と表現する。
「僕のユニークネスは、起業家でありながら日本に思い入れがあり、シリコンバレーを経験して、アジア市場の現場を知っていること。こうした人間は、あまりいないと思う。いないならば、僕がやらなければいけない。それが使命感です。普通の人が見たら、クレイジーだと思うかもしれない。でも、『クレイジー』というのは、シリコンバレーでは最高の褒め言葉です」
日本発メガベンチャーの創出
徳重代表は子供のころから起業に興味を持ち、ソニー創業者・盛田昭夫にあこがれを抱いていた。大学卒業後、住友海上火災保険に5年ほど勤めたが、起業の夢を追い求めることを決意し、29歳でアメリカのビジネススクール(MBA)に留学、シリコンバレーのインキュベーション企業の代表も務めた。そして2010年、帰国して電動バイクの製造・販売を手掛けるテラモーターズを立ち上げた。
なぜ、電動バイクに着目したのか。
「グローバル規模でイノベーションを起こせる日本の技術は何かを考えているときに、EV(電気自動車)の世界で産業構造の変革が起こっていた。垂直統合で結ばれた従来の製造業と違い、電動バイクは複数のメーカーが得意分野を持ち寄る水平分業型で、ベンチャーでも活躍できる余地がある」
しかし、徳重代表はEV技術の専門家ではなく、当初は事業を実現するための人脈のあてもなかった。
「真剣に考え、本気で語っていると、人脈につながったりします。応援する人が現れて、壁を突破できる」徳重代表が掲げる目標の一つが、「日本発で、世界と勝負できるメガベンチャー」になること。その思いに共鳴した人たちが、徳重代表の下に集まっていった。現在、社員数は約20名。
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