未知の市場の「勝算」を解明
1932年創業、京都・宇治に直営店2店舗を構える老舗茶屋の伊藤久右衛門。2012年5月からは、新ジャンルとなるアルコールの製造・販売にも本格参入した。新商品開発へと踏み切るきっかけとなったのが、ビッグデータの分析だった。
10月2日には京都駅前に新店舗をオープンする老舗茶屋の「伊藤久右衛門」。同社は、2012年5月、アルコールという新分野にも進出した。その背景にあったのが、ビッグデータの分析である。
データ分析の責任者を務める事業統括本部本部長・広瀬穣治氏は、自身の就任後、業務システムのパフォーマンス向上策としてウイングアーク社のビジネス・インテリジェンス(BI)ツールを導入した。
それにより、通販サイトのアクセスログや顧客データなどの分析が可能になり、米酒や梅酒、チョコレートなどを宇治抹茶にブレンドした新ジャンルのアルコール市場での勝算を見極められたのである。
「一時のブーム」ではない根拠
伊藤久右衛門は約10年間、宇治抹茶スイーツを中心に市場を開拓してきた。過去の販売データや顧客データをなぞるだけでは、「新ジャンルの開拓」という答えには、たどりつけないはず。
広瀬氏はなぜ、この新市場に「勝算あり」と見込めたのだろうか。
きっかけは、地元の酒蔵と共同開発した、抹茶と純米酒をブレンドした「夜半のみどり」だ。2012年の母の日から第1弾のテスト販売を開始したところ、即時完売が続き、テストで用意した生産ラインが間に合わないほどだった。結果、6ヵ月間で約5000本以上を売り上げるヒット商品になった。
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