分野を超えた連携にチャンス

データの利活用が、新しいビジネスを生み出している。そこでは、異分野の企業をつなげる柔軟な取組みが求められ、大企業よりも、機敏に動けるベンチャーの活躍が期待される。

見聞きする機会の増えた「ビッグデータ」という言葉。その漠としたニュアンスから、「情報の宝の山」、「新ビジネスの源泉」といったイメージを抱く人も少なくないだろう。しかし、経済産業省商務情報政策局情報経済課長の佐脇紀代志氏は開口一番、「アプローチ自体は新しいものではなく、極めて古典的な手法の一つ」と言う。

データが企業の競争力を左右

「客観的データをもとに顧客像の洗い出しや利益構造の転換を図り、新しい事業を生み出すというやり方は、以前から行われてきたことです。ただ最近は、あらゆる状況をデータの形で記述し残すことが技術的に可能になったことで、新しい競争のフィールドが登場しつつあるのだと思います」

主な要因は、技術の進歩とデジタル周辺機器の普及、低コスト化にあると指摘する。まず、デバイス。モノの動きや人の動きを感知するセンサーが格段に安くなり、ありとあらゆる場所に導入されるようになった。センサーの多用はデータの蓄積へと直結するが、そのデータを蓄積するストレージもまた圧倒的に安くなった。

「生み出すデータ量も爆発的に大きくなり、かつ、蓄積しうるデータの規模も大きくなった。つまり、データを使ってビジネスを生み出すという活動そのものは変わらない一方で、それを実現するための諸条件が充実しメインのバトルフィールドになってきたということです。データのマネジメントが企業の競争力を左右し、そこで成功すれば大きく羽ばたく可能性が生まれています」

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