「正しい仕組み」で売れる営業に

顧客が欲していない商品・サービスを売り込み、量をこなすことが目的化した営業に違和感を覚えた萩原社長は、創意工夫を重ねて、マーケティングの手法にもつながる独自の方法を確立した。

──そもそも、従来の営業について、どのような点に疑問を感じられたのですか。

もう四半世紀以上前になりますが、高校卒業後、英会話教材、建築資材、それからリクルートでの求人広告の営業などに携ってきて、一貫して感じていた疑問点が2つありました。

一つは、いわゆる飛び込み営業であったり、アポ取りだったりと、とにかく量をたくさんこなすという営業のやり方です。もう一つは、顧客にニーズがないのに、無理やりだますように売りつけることを営業力と考えるような風土です。

これらの疑問が、法人営業においてマーケティング活動を支援する会社を立ち上げるきっかけになりました。

新規受注よりも継続取引

──その疑問点を、どのような手段で解消しようとしたのですか。

法人営業はお客様との継続取引が前提で、生涯価値をどのくらい大きくできるかが最も大切です。それに比べれば、初回に受注できるかどうかはさして重要ではありません。受注できても、継続できなければ費用対効果で見ればマイナスになります。

だから新規受注の数を増やすことではなく、受注後に成長が見込めて取引が広がり、高い顧客満足を与えられるターゲットに的を絞ることがポイントになります。当時は自分なりの感覚と工夫で動いていましたが、それは、後からマーケティングの手法に則っていたことがわかりました。

また、お客様に無理やり買わせるというやり方について、そもそも法人営業ではお客様の期待値を上げ過ぎると、取引が継続しません。業界では期待値調整という言葉を使いますが、デメリットなど悪い情報があれば先に伝えることが鉄則です。正しい情報を伝えておけば、その時は受注できなくても、次のチャンスが作れる可能性が残ります。結果がすぐに出なくても、お客様に新たな提案をしながら、関係を構築することもできます。

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