地域資源を活用してヒット商品を生み出す

石川には、時代と共に埋もれてしまったような地域の資源や資産も数多い。しかし、その見せ方を工夫すればまた新たな魅力的なコンテンツになり得る。

「土地の味がしみ込んだ石川の米で、石川でしか造れない酒を造る」―石川の酒造関係者たちの熱意が、ふくよかで丸みのある味わいが特徴の「酒米石川門の酒」を生んだ。

県産米を使った石川オリジナルの酒

県内で広く栽培されている酒米・五百万石に比べて、主に兵庫県で生産される酒米の王者・山田錦が高価であることも背景にある。そこで、山田錦並みの品質でありながら、五百万石と同様に安定生産できる石川県初の酒米作りがスタートしたのが92年。石川県酒造組合連合会から開発依頼された県農業総合研究センターが十数年余をかけて品種改良や試験栽培に取り組み、07年、ついに石川県のオリジナル酒造好適米「酒米石川門」が生まれた。価格は五百万石と同程度にし、石川門の魅力を引き出した新しい酒を普及させるために同連合会は、酒米農家、酒造会社らと「酒米石川門の会」を発足させた。

スタートした08年には4件の酒米農家が石川門を栽培し、約320俵を収穫。その米は酒造会社6社の各杜氏の手により純米酒や純米吟醸酒となった。販促PRにも注力し、中小企業団体中央会や流通大手の協力の下、試飲会やイベントを開催した。反響を呼んだことから、2年目の酒米作りは5つのJAが参加し、1300俵を収穫、酒造会社も18社に。現在では22の酒造会社が加わり、今年は1875俵の収穫を見込む。

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