「ものづくりのまち」を国際化し、「強い小松」へ

今年3月、「北陸の新都心『国際都市こまつ』」を掲げて2期目をスタートさせた小松市の和田愼司市長。「強い小松をつくる」として小松市の改革に邁進する和田市長に、産業をキーワードに今後の戦略を聞いた。

―小松市の産業の特徴と強みを教えてください。

「ものづくりのまち」を維持、発展させるために、JR小松駅の東側にある5万坪のコマツ小松工場跡地の一角に3Dシアターホールなどを備えた「サイエンスヒルズこまつ」を建設中。(写真提供:小松市)

小松市には、建設機械の世界的なトップメーカー『コマツ』に代表される機械産業をはじめ、絹織物などの繊維業に伝統工芸として全国に名だたる九谷焼の窯業があります。技術集積度が非常に高い典型的な「ものづくりのまち」として発展し、就業人口も約3割が製造業に従事しています。最近では、電気機械や電子部品産業などの新分野も伸びていますが、特に注目しているのが炭素やシリコンといった素材産業です。産業の基礎となる素材産業がしっかりと根付き、そこに6次産業も加わり、シニア層や女性も働けるような色々な組み合わせの仕事があり、一つの産業体を作っています。

そんな産業を下支えしているのが、小松の人たちの気質です。小松の人たちは元来、手先が器用で、チームワークが良く、粘り強い気質を持っています。それに、良い物を作ろうとする思いも強い。さらに、自動化やロボット化導入にも積極的で、柔軟な一面もあります。だから、小松の機械産業は進んでいるとよく言われています。文明が進むのをうまく活用しながら、企業を成長させてきました。「ものづくりに対する執念」や「チームワーク力」といったベースになるものがしっかりしていますので、経済環境が厳しい状況下にあっても、十分にやっていくことができます。

インフラと教育に投資地域の強みを活かす

―2011年に『10年ビジョン』を策定しました。

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