現場の人材力を磨き、育て、会社の力に

製造から小売りまでを手掛けるSPA、低価格戦略の先端モデル、ファッションとしてメガネを楽しむ文化―日本の眼鏡業界をリードし、新市場を開拓し続けてきたZoff。2012年から代表取締役社長に就任している上野剛史氏に、承継までの経緯を聞いた。

「現場主義」で知られる上野氏は、インターメスティックが2001年にZoffを立ち上げるタイミングで入社。会社立ち上げから事業にかかわり、2006年に子会社のゾフの社長、2012年にインターメスティックの代表取締役社長に就任している。資金面を含む経営面の仕事は当初、現会長の上野照博氏が見ており、上野氏の業務はいわば現場の部門長であった。

経営者である父と現場を預かる上野氏とは激論の毎日。経営の手法を傍らで学ぶ一方、昭和の経営者気質を持つ父と、現代の若者で構成される現場との間を取り持つ役割を担ってきたのである。

「06年にゾフの社長に就任した当初は、クレーム処理を中心に、仕事の海に飲まれました。前に進んでいるのか、停滞しているのかも判断がつかない。正直に言えば、自分がこんなことでは会社が危ないのではないか、と先行き不安に感じることもあった」と話す。

しかし、社長就任以降の6年、現場を通して、お客様のメガネに対する興味、関心に直接接する中で、不安は完全に自信に変わった。

ファッションとしてのメガネを開拓

女性誌でのメガネ特集、「メガネ男子」など、ファッションとしてのメガネの市場が新たに切り拓かれてきたのは、Zoffが誕生して以降のことだ。当初からZoffへの反響は大きく、2001年に2号店としてオープンしたZoffルミネ池袋店では坪単価200万円以上を売り上げる大盛況となり、本来30年の耐久性があるレンズ加工機が1年持たずに消耗してしまうほどだった。

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