職人による地産地消の木工品で話題に

創業49年、従業員24名、青森県の弘前市に社屋を構えるブナコ漆器製造が世に送り出す、職人の手作りによる木製の食器や照明器具が今、国内外で注目を集めている。

ブナコ漆器製造の倉田氏

ブナコの製品の特徴はなんと言っても独特の風合いを持つモダンで繊細なデザインだが、見た目だけを評価されているわけではない。製品は全て、他の木よりも水を多く含み、乾燥させるのに時間とコストがかかるために木材として使い道がないと言われてきた地元・青森のブナの木を地産地消したもので、ほとんど機械を使わず、職人が手作りしている。しかも独自の製法によって、木から削り出して作る従来の製法と比べて10分の1の木材しか使わずに製作されているのである。

産や受け継がれてきた技術を存分に活かしたモノ作りが、消費者の意識が高まった今の時代になって、脚光を浴びているのだ。1980年に父親から会社を引き継いだ同社代表の倉田昌直氏は、32年間の歩みをこう振り返る。

「天然資源を無駄にしないようにしようというような意識が消費者になかった時代には、食器なんて木の塊を削ればできるのに、なんでわざわざ手作りなんてコストがかかる面倒くさいことするんだと言われて、なかなか認められず、すごく大変な思いをしてきました。この20年でエコの意識が芽生えてきて、ようやく注目され始めたんです」

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