節水=エコロジーへと国民意識も変化

環境テクノロジー企業が集まる北九州市。中でも全国的に知られる企業の一つが「TOTO」だ。同社が水資源保全のために磨いてきた節水技術は、北九州・小倉を発祥に日々進化を続け、グローバル展開も本格化している。

TOTO 張本邦雄 代表取締役社長執行役員

飲み水として利用できる水は、地球全体に存在する水の0.01%にも満たない。「水の危機」は深刻さの度合いを増し、世界全体では約7億人が、水不足の状況で生活している。

その一方で、水資源が豊かな日本にはその意識が薄い。節水は水資源を保全し、上下水道の供給・処理のためのエネルギーを削減し、節電・CO2削減の双方に効果があるが、そうした環境意識よりも、経済面での節約意識で行われてきた。

しかし、徐々にその意識は変化してきているとTOTO代表取締役社長執行役員の張本邦雄氏は言う。「以前、地域の小学生を対象とした『夢のトイレ』について絵と作文を書いてもらうイベントで、多くが環境にやさしいトイレを描き、子供たちの高い環境意識が強く印象に残った。近年の環境教育が効果を発揮したということでしょう。ということは、将来世代が環境面から節水意識をもって生きていくということ。このことは大きい」。

TOTOは衛生陶器の製造・販売をスタートして90余年だが、この30年間は「節水こそが自社の衛生陶器の負うべき使命」という認識を持って製品づくりや節水の重要性のコミットメントに励んできた。その中では長い間「節水=エコノミー」であって、「節水=エコロジー」ではなかった。そのジレンマが解消されつつあるのだ。

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