アメリカでまず100台売る
次世代の電動パーソナルモビリティ「WHILL type-A」を開発・製造する杉江理氏は、2020年までに1兆円弱の規模になると推定される世界の電動車いす・シニアカー市場に挑む。

「反応は良い人も、悪い人もいる。反応が良い人が評価してくれるのはメンバーとコンセプト」と語る杉江氏
「東京大学の調査結果では、車イスやシニアカーは乗る人のステイタスを下げる、と言われています。そんな乗り物って嫌じゃないですか。そうじゃなくて、こんな車イスだったら、みんな乗りたくなるよね、かっこいいよねと言えるものを創ったらどうだろう。そう思いついたのです」
2011年の東京モーターショーで、ひときわ多くの人の注目を集めたのが「WHILL」、車イスに取り付けて時速20キロで走ることができる、車いす用の電動モビリティだ。この「WHILL」の生みの親が、日産のデザイン本部を辞めた後、世界を旅しながらフリーでプロダクトデザイナーをしていた杉江氏だった。
ヒト・モノ・カネを動かすコンセプト

『WHILL type-A』は、座席の後ろにも人が立てるスペースを設置し、2人乗りできるようになっている
先進国の車イスは完成度が高いが、半径3キロ圏内を自由に動きまわれる乗り物でもない。そこで杉江氏は「車いすユーザーのためのクールな電気自転車、乗ることがステイタスアップにつながる乗り物があったら」と、最大時速20㎞で自由気ままに『飛ぶ』ように動ける次世代の電動モビリティの構想を思い立った。
この画期的なコンセプトは、賛同する仲間を引き寄せた。集ったのは同年代が多く、ソニー、電通、オリンパスなど大企業に勤める人間もいた。
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