現地のニーズに応えるマーケットインの発想

島津製作所・中本晃社長インタビュー

「技術の島津」が事業の発展のため、ここ10年にわたって取り組んできた「市場の声に耳を傾ける」マーケットインの視点による製品開発。この視点は、国内外のビジネスに必須のものだ。

014-01.png

島津製作所・中本晃 代表取締役社長

明治維新以降、首都が東京へ移り、京都人の誇りはいたく傷ついた。時の槙村正直京都府知事は京都を東京に勝る一大産業拠点にしようと欧米の最新技術の導入に力を注いだ。外国から入ってきた高度な理化学機器群に心を奪われた島津源蔵は科学立国の理想に燃えて、教育用理化学機械の製造を始める。以来、島津製作所は「科学技術で社会に貢献する」を社是に掲げてきた。

「社会が何を必要としているかを考え、誰もやっていないものづくりを、できるまであきらめずに続けるのが当社のDNA」と中本晃社長。そのスピリットは、タンパク質分析のためこれを壊さずにイオン化して分析できるようにしたことでノーベル賞を受賞した田中耕一氏(現・田中耕一記念質量分析研究所)にも受け継がれている。

「技術の島津」としてのプライドはともすればいいものを作れば売れるという過信を生みかねない。事業の発展のため同社はここ10年にわたって「市場の声に耳を傾ける」マーケットインの視点による製品開発に注力してきた。中本社長は「市場の声は現場にある」と説く。「お客様のところにどのような機械が置かれ、どのように使われ、何に満足され、また不満があるのかを聞いたうえで、何がお客様にとって新しい価値につながるか想像力をめぐらさなければならない」。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り45%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。