(続)社会の状態図序説

変化が急で先行きが不透明な時代である。数字の世界と違って1+1が2にならない。実世界は1+1の結果がゼロになったり10になったりするので面白いが油断すると危ない。過去の成功体験に埋没すること無く、また過去の失敗に臆すること無く、原点に立ち戻っての果敢な挑戦が求められている。そこで企業、国、地域、世界といった社会システムの変化と変化をもたらす事業について考えてみたい。社会の状態図の描画へと一気に進むことが難しいため、事前準備として前回に続いて物質系の状態図を横目で見ながら、状態図を通して人間活動の一面を照らし、事業構想という知的プロセスの中核部分の素描を試みてみることにする。

多様な事業を展開するグローバル企業を想像してみれば分かるように、社会システムは人間活動の産物であり構成要素の種類も組み合わせ方も多数で多様なシステムを構成する。また要素間だけでなくシステム間でも相互に関連し、さらにはシステムがサブシステムになって上位のシステムを形成するなど、システム群も相互に関わり合い複雑で多様な構造を持つ。事業の結果はシステムの変化となり、システムの状態変化の様相は多様で複雑になり、システムを特徴付けるデータ群の奥に新たな事業の芽を育む未知の広大な領域が展開する。

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