2013年1月号
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Amazonが狙う業界構造革命

AWSの未来を左右する!? 「ベンダーロックイン」

五味明子

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クラウド事業で圧倒的なトップシェアを誇るアマゾンウェブサービス。本業と同じく高性能、利便性、低価格で顧客を囲い込むが、クラウド事業ではその戦略自体が弱点になりかねない。

本稿を執筆中、「アマゾンウェブサービス、本番環境でSAP Business Suit実装の認証を取得」というニュースが飛び込んできた。世界で最も普及している業務アプリケーションであるSAP社の製品が、AWS上でも問題なく実行できるとSAP社がお墨付きを与えたのだ。クラウドで基幹システムを稼働させることに懸念を示す企業は今も少なくないが、今回の認証で、基幹システムのクラウド移行が大きな一歩を踏み出したことは間違いない。

セキュリティ対策を強化しクラウド導入の不安を払拭

AWSのデータベース事業の責任者である
ラジュ・グラパニ氏によれば、ジェフ・ベゾスはクラウド事業
について「サービスを提供する上で重要視することは、
フレキシビリティと選択肢」と語っているという

AWSは自身のことを「クラウド事業者」とは呼ぶが、「パブリッククラウド」「プライベートクラウド」という言葉は、恐らく意図的に公の場では使わない。筆者は今年、AWSのデータベースサービス部門バイスプレジデントであるラジュ・グラバニ氏にインタビューする機会を得たが、同氏はそこで「AWSが提供するクラウドサービスは顧客が求めるもののみであり、パブリック/プライベートという縛りにとらわれない」と明言した。これは世間で言われがちな「パブリッククラウドよりプライベートクラウドのほうが安全性は高い」という評判を強く牽制してのことだ。クラウド市場を切り拓いてきたAWSからみれば、競合他社が「プライベートクラウド」と称しているソリューションは仮想化の域を出ておらず、クラウドの必須条件であるスケールという要素を満たしていない。これはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)市場でパイオニア的存在となったセールスフォース・ドットコムも同じ内容の主張をしている。

「(パブリック)クラウドはセキュリティに問題がある」という世間の評判をAWSはひとつひとつ払拭してきた。

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