アマゾンが狙う業界構造革命
現在、ITビジネス上もっとも強力なプラットフォームを築いているのはアップルだろう。
キンドルというデバイスが生まれたことで、アマゾンはさらに強力なプラットフォーム構築を狙っている。
間もなく、クラウド戦略に関する重要発表を行うとされているアマゾン。キンドル、キンドルファイアの発売に加え、米国では日本では未登場のサービスも登場している。Amazon Pagesは企業がアマゾンのサイトの中に独自のドメイン名であらゆる商品を販売できるサイトを無料で構築できる内容だ。
一体、アマゾンは何を狙っているのか。それはすなわち、IT業界の「垂直統合」と「プラットフォーム化」を同時に成し遂げることにある―そう話すのは、プラットフォーム戦略®協会理事長の平野敦士カール氏だ。
「キンドルとは、何でしょうか。ユーザーと直結するデバイスです。アマゾンには、ワンクリック決済を通して収集した、莫大な数のユーザーという強みがあります。更にレビューシステム、アフィリエイトプログラムと言うバイラルを誘発するシステムを有します。ここで、OSと、クラウドについてもユーザーを囲い込むことによって誰もなしえていない、垂直統合が可能になります」(平野氏)。クラウド、OS、デバイスまで串を通して支配する垂直統合とは、すなわち、IT業界に構造革命が起きることに他ならない。
差別化に成功しプラットフォーム築く
アマゾンの成功は、顧客価値の最大限化で差別化に成功した点にある、と平野氏は言う。顧客第一主義で、物流面(送料無料・時間指定可能)、販売面(WEBの操作性、古本販売)など、バリューチェーン全体でユーザーフレンドリーな手法を取り入れたことが差別化につながった。サラリーマン社長ではなく、創業社長であるジェフ・ベゾスの強力なリーダーシップがあってこそ実現可能なことと言える。
「送料無料の実現も、プラットフォームづくりに成功し、ルールメーカーとなったからです。勝てるプラットフォームには、3つの特徴があります。1つは差別化。ジェフ・ベゾスは、顧客がアマゾンでものを買うための理屈を徹底的に考えています。
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