M&Aのパターンで見る成長戦略
設立以来、積極的にM&Aを繰り返し、規模を拡大してきたアマゾン。そのパターンから、「地球上最大のEC企業」を目指す巨人の戦略を探る。
世の多くの人は、アマゾンが1994年の設立以来02年まで9年もの間、最終損益が赤字だったことなど、すっかり忘れているだろう。いつになったら黒字になるのかと、アナリストに呆れられていたその頃から、同社はベンチャー企業(VB)の合併・買収(M&A)を駆使して成長を遂げてきた。したがい、アマゾンの成長戦略を語るうえでは、そのときどきのM&A案件の経営上の意図を考察することが重要になる。
「顧客基盤の買収」と「テクノロジーの買収」
アマゾンはこれまで大小数多くのM&Aを行ってきたが、それらを目的別に大別すると、大きく3つのパターンに分類できるだろう。
1つめのパターンは、「顧客基盤(とそれに付随する商品カテゴリ)の買収」だ。98年の映画情報サイト「IMDb」や商品検索エンジン「Junglee.com」、99年のヘルスビューティーケアEC「drugstore.com」やオークションサイト「exchange.com」、近年では昨年7月の英オンライン書籍販売大手Book Depositoryの買収などがその代表だ。これらのM&Aによって、アマゾンはそれぞれのサービスについていた顧客ベースと、その商品カテゴリとを同時に拡充してきた。
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