欧州に流れるサッカーマネー 放送権料600億円を奪還せよ

アジア地域から欧州リーグに支払われるテレビ放映権料は年間約600億円にのぼる。このうちの一部でもアジアに取り戻すために、Jリーグは"種まき"を始めている。

Jリーグとタイのテレビ局 GMM Grammy
との提携会見には、 TVカメラ20台以上、
150人以上の記者が詰めかけた

イングランド・プレミアリーグは世界のサッカーリーグの中でも突出したテレビ放映権料を得ている。今夏、衛星放送スカイ・スポーツ等と結んだ国内向け放映権契約は、2013‐14シーズンから3年間で30億1800万ポンド、日本円で年間およそ1200億円にのぼる。しかも、これはあくまで「国内向け」であり、国外ではまた別の契約だ。

そして現在、プレミアリーグの国外向け放映権契約による収入の中で、全体の6割を占めるのがアジア地域。加えて他の欧州リーグとの契約を加えると、アジアが支払う放映権料は年間600億円とも言われる。

アジアでJリーグ放送拡大中理由は「サッカー強化のため」

カンボジアではサポーターから寄付さ
れたユニフォーム451枚を、小学生にプレゼ
ントした。こうした地道な活動で、
Jリーグの認知度とイメージを高めている

Jリーグのアジア戦略の大きなカギを握るのは、アジア圏のサッカーを活性化させるために、欧州に流れている巨額のマネーの一部でもアジアに取り戻すことだ。この野心的な計画の実現に向けて、Jリーグはまず露出を増やして認知度を高めるために東南アジア諸国でJリーグの試合を流すテレビ局を増やそうとしている。Jリーグメディアプロモーションのアジア戦略室・室長の山下修作氏によると、放送枠は順調に広がっている。

送枠は順調に広がっている。「もともと、Jリーグの試合は全世界100ヵ国以上で放送されてきました。しかし、これまでは有料放送がほとんどだったので、特にアジア地域で地上波での無料放送を増やしていく計画です。現在、既にタイではケーブルテレビで毎節3試合、地上波で1試合放送されています。ケーブルテレビが地上波以上に普及しているベトナムでも、有力なケーブルテレビ局で放送が始まりました。台湾やフィリピンの局も興味を示してくれています」

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