自立的な個人からなる集合知、データデモクラシー

ビッグ・データ、ビッグ・ヒストリーそしてビッグ・ヴューとビッグ・アイデアから私達のかけがえのない未来を創り、語り合うために―。

クロノズーム（ChronoZoom）を使った"ビッグヒストリー"のブラウジング例。中心に宇宙の歴史の俯瞰図、背景には俯瞰図からたどった顕生代（左上）、天体（左下）、石器時代（下）、江戸末期の地図（右下）、海底地層の歴史（右上）、化石人類（上）のデータが表示されている。カリフォルニア大学バークレイ校R.Saekow氏提供。
ChronoZoom v1.0 Big History Timeline

大学院の中庭の楠の緑を楽しみながら、手元の小さなキーボードからでも世界中のデータを自由に集めることができるようになった。例示した図は、137億年の宇宙の歴史を1枚のスクリーンにまとめ、その大きな文脈の中で太陽系、地球、生命そして人間の歴史を俯瞰できるようにしたビッグ・ヒストリーを堪能するためのシステムのスナップショットである。

このシステムのプロトタイプ開発は、数年前にカリフォルニア大学バークレー校の歴史学の老教授、天文学の若くて元気のよい学生達が中心になってマイクロソフトの支援で開発を始めた。最近の進化したバージョンのシステムには数理や情報科学を専門とするモスクワ大学の若手教員と学生が合流して、国際的な協力の下で共同開発が開始されている。人類全体の膨大な知的財産を1つの画面からアクセスできるようにインクルーシブに吸収し、ネットワーク上で自由に増殖の可能性のあるシステムである。この情報システムは、マイクロソフトのクロノズーム(ChronoZoom)というブラウジングツールを軸にして、先進的な情報管理システムを徹底的に使い抜く。歴史データを通して情報資源を構造化し、科学の目を通して宇宙の歴史の中での人間の歴史を俯瞰的に考えさせる。データの時代を拓き、新たな学術の創成を視野に入れていて極めて挑戦的である。