エルピーダ、プロセス技術の問題点

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今年2月、エルピーダメモリは会社更生法の適用を申請した。なぜエルピーダは破綻したのか。半導体プロセス技術の視点から原因を探る。

「なぜエルピーダは倒産したんですか?」。

DRAMを詳しく説明する時間が無い場合、以下のように答えることにしている。

「1本100円の缶コーヒーを作るのに150円もかけていたからですよ」

過剰技術で過剰品質のDRAMを作る高コスト体質は、エルピーダ設立以前からの課題だった。この病気が一向に治らずほとんど利益を出せなかった。それが倒産に至った直接的原因である。この論考については様々な媒体に記事を執筆した。本稿では、半導体プロセス技術の視点から、エルピーダの存続がいかに困難だったかを論じてみたい。論点は2つある。(1)洗浄技術に互換性が無いことと、(2)本幸雄社長が開発センターを切り捨ててしまったことである。

原因1 洗浄技術に互換性無し

エルピーダは設立直後の2年間で、DRAMの世界シェアを17%から4%まで低下させた。この急激なシェア低下はなぜ起きたのか?

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