ごみ減量・リサイクル啓発の多角的PR
1991年に本格始動した浦安市のごみ対策プロジェクトは「ビーナス計画」として現在もPRキャンペーンを展開し続ける。新陳代謝が激しい東京隣接の新興市の住民に、ごみ減量・リサイクルを親しみの持てる活動として定着させた。
情報提供・電通パブリックリレーションズ
市への愛着や市政への関心を引き寄せる
浦安市のごみ減量・リサイクルは、今は当たり前になった「分別回収」「リサイクル」がまだ定着していなかった1991年にスタートした。この地道な活動が、四半世紀を経た今も進化を続けている原動力は、市民が親しみの持てる活動として熱心に取り組み、定着させてきた参加意欲そのものにある。
こうした土壌を築いた一因に、ごみ減量・リサイクル情報発信のインフラとして、マークやキャッチフレーズの開発、PR紙の発行、キャラクターの開発など、親しみやすい活動を次々に考案し展開ことにある。マンネリ化させないように、常に家庭や教育の場に新たな情報を届け、市民の関心を喚起させてきたのである。
同市は、東京駅からJRで15分という利便性の高い立地ゆえに、高度経済成長期に埋め立てが始まり、面積が約4倍になった。加えて、83年開園の東京ディズニーランドによって知名度が高まったこともあり、人口は約10倍と激増した。
ごみ量も、90年時点で、87年比1.5倍となり、ごみ問題は深刻化していた。市内に最終処分場を持たない同市では、処理場建設を計画。しかし完成までに4年もかかるため、処理場完成を待たずに、ごみを生み出さない社会と適正に処理するシステムの整備が、喫緊の課題となり、一過性ではなく継続的な対応策が必要となっていた。
しかし、プロジェクト開始当初の状況では、家庭ごみ量の減量、分別によるリサイクルの促進には、市民の理解と協力が不可欠であり、いかに市民参加を促すかが、鍵となっていた。
市民に啓発、行動を促す行政からの指導や通知の内容は、市民からすると、机上の正論で、上から目線の一方的なルールの押し付けと、受け止められてしまうことが多い。
そこで、同市では、そこに魂を入れるがごとく、市民の参加を促す周到なプロジェクトを立ち上げた。
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