リーダーシップ育成で復興の先へ

人が変わり、構想がふれあい、共に価値を創っていく。地方創生に重要なステップがこの場で育まれている。まさに今、気仙沼市は「被災地の気仙沼から、新たな魅力を生み出す気仙沼へ」と復興の先に向かって進み始めている。

「地方創生」という言葉が叫ばれ始めたのは2014年。しかし多くの地方都市では、従前より都市部への人口流出、地域産業の衰退などの課題を抱えていた。

さらに2011年3月の大震災で東北の太平洋沿岸地域では、慢性化していた社会課題が深刻化し、これらの解決なしには復興策はありえない状況となった。

こうした状況下で、気仙沼市は、「地域を見据えた人づくり」こそが重要と考え、13年より地域の経営者層を対象にリーダーシップ育成とその仕組み作りに着手した。

そのためのステップは3つ。

1)リーダーシップを引き出す

2)多様なリーダーシップ(人材)が混ざり合うきっかけを作る

3)そのための「場」を用意する

地元の人材のリーダーシップこそが産業復興の原動力であり、持続的な地方産業を形成し、地方創生の礎になるという考えである。

プロフェッショナルに学ぶ

この実現に向け力を注いだのが「東北未来創造イニシアティブ」(以下イニシアティブ)である。

12年に経済同友会の特別協力の下「イニシアティブ」はスタート。

5年間におよぶ前例なき取り組みによって、リーダーシップ育成で復興の先を目指す素地が整った。

イニシアティブは東日本大震災の被災地の自立的かつ創造復興を目指し設立された。

設立精神の文言の中に、「人々の暮らしを支える事業を創り、人々が誇りをもって暮らせる街を創る、その行く末を希望をもって展開できる産業を創る。それも、東北の人々が、自分たちの手で主役となって創りだす。(中略)情熱と志、構想力、行動力を持つリーダー人(事業家、社会企業家、地域プロデューサー)を育て、その行動・構想を支援します」とあり、人材育成の要となる考え方と信念が込められている。

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