防災ガイド2016年度版
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災害発生時の対応及びその備え

避難勧告の具体的な発令基準・基本的な考え方~タイミング&伝達手段~

防災ガイド 編集部

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避難勧告等の具体的な発令基準策定状況(○調査対象/市町村1,741団体○調査基準日/2015年12月1日○調査内容/避難勧告等の具体的な発令基準策定状況(災害別)等)

避難勧告等発令の判断基準の基本的考え方

市町村は、対象とする災害の種別毎に避難勧告等を発令し、対象地域において、立ち退き避難が必要な住民等と屋内での安全確保措置が必要な住民等の両者にそれぞれの避難行動をとってもらうことを示す。避難勧告等は、災害種別毎に避難行動が必要な地域を示して発令する。

ただし、避難勧告等は一定の範囲に対して発令せざるを得ない面があることから、対象地域内の個々の住民にとって避難行動が必要なのかどうか、あらかじめ住民自らが理解し、避難先や避難経路、避難のタイミング等を決めておく必要がある。

避難勧告等の対象とする避難行動には、屋内での安全確保措置も含めることとなっている。避難勧告等の発令基準の設定は、避難のための準備や移動に要する時間を考慮した、立ち退き避難が必要な場合を想定して設定するものとする。

一方で、避難勧告等が発令された際、既に周囲で水害や土砂災害が発生している等、遠方の指定緊急避難場所への立ち退き避難はかえって命に危険を及ぼしかねないと、住民自身で判断した場合には、近隣の安全な建物等の「緊急的な待避場所」への避難や、屋内での安全確保措置をとる場合があることを、住民に平時から周知しておく必要がある。

土砂災害や水位周知河川、小河川・下水道等(避難勧告発令の対象とした場合)による浸水については、突発性が高く精確な事前予測が困難なことが多いため、避難勧告等の発令基準を満たした場合は、躊躇なく避難勧告を発令することとする。

避難準備情報については、それを発令したからといって、必ずしも避難勧告・指示を出さなければならないわけではない。危険が去った場合には、避難準備情報のみの発令で終わることもあり得る。

このような認識の下、時機を逸さずに避難準備情報を発令すべきである。

また、避難勧告等を発令したにもかかわらず災害が発生しない、いわゆる「空振り」であっても、被害がなければ良かったと思えるような意識を醸成していくべきである。

なお、避難勧告は指定緊急避難場所の開設が完了していなくとも発令することとなるが、そのような事態をできるだけ避けるため、避難準備情報発令の段階で、主要な指定緊急避難場所を開設し始め、避難勧告発令までに開設し終えることが望ましい。

また、開設している指定緊急避難場所がどこかが具体的に分かる情報を、自主防災組織や地域住民に速やかに伝えることが望ましい。

避難勧告等の伝達手段

防災情報の伝達は、共通の情報を様々な伝達手段を組み合わせることで、広く確実に伝達することが基本である。

そのために、市町村防災行政無線等、情報の受け手側の能動的な操作を伴わず、必要な情報が自動的に配信されるタイプの伝達手段であるPUSH型の伝達手段を活用する。ただし、PUSH型の伝達手段のうち、屋外拡声器を用いた市町村防災行政無線(同報系)での伝達については、大雨等により屋外での音声による伝達が難しい面もあることから、市町村防災行政無線(同報系)戸別受信機、IP(Internet Protocol)告知システム、緊急速報メール、登録制メールやコミュニティFM(自動起動ラジオを使用する場合)等の屋内で受信可能な手段を組み合わせる。

さらに、より多くの受け手により詳細に情報を伝達するため、PUSH型に加え、市町村ホームページのほか、SNS、CATV、コミュニティFM(一般のラジオ端末を使用する場合)、テレビ・ラジオやウェブ、テレビのデータ放送等、情報の受け手側の能動的な操作により、必要な情報を取りに行くタイプの伝達手段であるPULL型手段も活用して伝達手段の多様化・多重化に取り組む。

その際には、より効率的に情報を伝達するため、Lアラートも活用していくべきである。

なお、PUSH型からPULL型に誘導する場合、例えば市町村のホームページの活用にあたっては、緊急時のアクセス増によりサーバーがダウンしないよう、回線増設等の対応を検討するとともに、市町村に問い合わせが殺到しないよう、伝達内容を工夫する必要がある。

また、防災情報が住民に迅速かつ確実に伝達されるよう、防災情報を伝達する役割を担うマスコミ、通信事業者と平時から連携をとっておかなければならない。

避難勧告等を住民に伝達する主な手段は下記のとおりである。

伝達手段別の注意事項

あらかじめ、全ての伝達手段について、その手順を確認し、伝達を受ける側が限定される場合は、確実に伝達されるかの訓練も実施する必要がある。

さらに、例えば、人口や面積の規模が大きい市町村において、夜間や早朝に突発的局地的豪雨が発生した場合、PUSH型手段による避難勧告等について、必要なエリアに伝達することが有効であると考えられる。

同報系防災行政無線やIP告知放送等については、市町村単位よりもエリアを限定して情報伝達できるものもあることから、地域の実情に応じて、その有効性や運用上の課題等を考慮した上で、PUSH型手段の提供範囲等を検討する必要がある。

TV放送(ケーブルテレビを含む)

TV放送は、避難勧告等の速報性の高い情報がテロップ(文字情報)により迅速に発信され、繰り返し呼びかけられるなど、避難行動に結びつきやすい伝達手段であるが、停電に弱い上、既に被害が発生した地域の情報が放送される場合が多く、これから避難が必要な地域の住民等に対し、必要性が適切に伝わらない場合もある。

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