教育現場でICTを活用し、子どもたちの生きる力の基礎となる学力習得と教員の負担軽減を両立

福井県おおい町は、2015年からNTT西日本が導入した電子黒板やタブレットなどのICT環境を活用した授業を行い、子どもたちの学習意欲の向上と能動的なコミュニケーションを生み出している。また、授業準備の効率化とサーバー群のクラウド化で教員の負担軽減に寄与している。

子どもたちの興味関心の向上と教員の授業準備の効率化を実現

おおい町すべての小中学校のICT環境を整備(電子黒板やタブレットの導入、校内ネットワーク基盤整備)

福井県おおい町では子どもたちに生きる力の基礎となる確かな学力を身に付けさせることを目標に、2009年度から教育用ICT機器を導入している。2014年にシステム全体の見直しをNTT西日本とともに開始し、試用期間を経て2015年からは新たな教育ICT環境を取り入れている。

ICT環境整備のポイントは2点ある。一つは、普段使いしやすい等、操作性に考慮した電子黒板やタブレットなどのICT機器と教育用ソフトウェアを導入したこと。もう一つは、サーバー群のクラウド化によるシステム管理だ。

ICTを活用した授業の利点は、導入製品を使いはじめてすぐ実感できることとなった。電子黒板にデジタル教科書を映しながら行なう授業では、タッチペンで線を引いたり動画や音声を絡めて学習ができたりと、子どもたちの興味を引く仕掛けが満載。たとえ間違えたとしてもすぐに消してやり直せるため、引っ込み思案の子どもでも躊躇することなく答えを書けるなど学習への積極性も生み出した。

またWi-Fi接続されたタブレットを使った授業では、タブレットに書き込んだそれぞれの意見を電子黒板へ集約し授業内容を深めることができている。多様な考え方を知り自分の意見を見直す生徒も出始めるなど、子ども同士の能動的なコミュニケーションが養われているようだ。

ICTの導入は生徒だけでなく教員にとっても大きなメリットがある。例えば、ワークシートの紙印刷等の作業が効率化されたことで授業準備にかかる時間に余裕が生まれ、生徒と触れ合う時間が増えたとともに授業内容をより深めることができるようになったのだ。このことが結果的に、教育の質向上へとつながっている。

クラウド化による負担軽減とセキュリティー・BCP対策強化

ICTの活用で授業の幅が広がり、子どもたちへの教育の質の向上が実現した

クラウド化によるサーバー環境構築も学校側にとって恩恵が大きい。これまで各学校等に設置していたサーバー群をNTT西日本のデータセンターに預けることで、教員が行っていた運用管理対応を外部へ任せられるようになり、学校側の負担が軽減された。あわせて、不正侵入を防ぐセキュリティーやBCPにおいても対策が講じられ、安心して利用できるICT環境が整った。

おおい町立大飯中学校教諭山内智永氏は、「ICTを活用することで授業の幅が広がっていると感じています。ICTを有効活用することで、もっともっと子どもたちが勉強に興味をもって、それが学力向上へつながっていく、そんな様々な学習方法を考えていきたいです」と今後の展開に期待を寄せる。

TV会議システムを使った交流授業や、家庭と連携した持ち帰り学習の実現など、教育の現場でのICT活用は可能性に満ちている。ICTの活用を「確かな学力」に、そして「生きる力」につなげたいというおおい町の熱い思いにこたえるため、今後もNTT西日本は教育ICT環境のサポートを行っていく。

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